あらすじ

ここはアルカジア王国、誰もが幸せに暮らす楽園……のはずだった。
かつて楽園と呼ばれたこの国は、今現在2つの問題を抱えている。

1つ、魔導資源の急速な枯渇。
2つ、レジスタンス組織“パンデモニウム”による暴動。

けれども、王城という鳥籠からしか外を見られないルチカにとっては、
そんな日常すらもどこか遠い世界の話のように思えていた。
――――ある日、窓から訪れた“刺客”が、彼女に“外”を教えるまでは。

世間知らずの王女と愉快な面々が織りなす国家転覆ファンタジー、ここに開幕!

主な登場人物

アルカジア

 ルチカ

アルカジア王国の第一王女。
本名は「ルチフェリカ・フォスフォロス・アルカジア」。
自分を殺しにきた…はずのグリーディに求婚(?)され、意図がよくわからないものの悪い気はしていない。
特技は世間知らず故に発揮される天然傲慢ムーブ。

 グリーディ

自称「愛の伝道師」。本業は(元)パンデモニウム所属の暗殺者。
派手好きで目だつ出で立ちの伊達男。きらびやかなアクセサリや貴金属を好む。
言動は軽いが暗殺者としての腕は確か。
本人曰くなんでもできるが、唯一魔術の才能だけは無いらしい。
愛称は「グリ」。

パンデモニウム

 アイラ

レジスタンス組織・パンデモニウムの首領。ボロのフードで顔を隠している。
王家へ並々ならぬ憎悪を燃やしているが、部下たちへはその理由も素顔も明かしていない。
声から察するに年齢は若い。
側近としてグラットンとラストラストを置いている。

 グラットン

パンデモニウムの魔術師。
基本的に人間嫌いで、常に眉間にしわが寄った不機嫌そうな顔をしている。
グリーディの幼馴染だが、彼がルチカにかまけてパンデモニウムを脱退したため、めちゃくちゃ恨んでいる。
愛称は「グラ」。アイラとグリーディ以外に呼ばれると怒る。

 ラストラスト

パンデモニウムの魔術師。
マッドサイエンティスト気質で、基本表舞台には顔を出さず、パンデモニウム本部で悪趣味かつ非道な実験を繰り返しているらしい。
一時期グリーディに対して執拗に実験協力を迫っており、グラットンとは仲が悪い…というか、一方的に嫌われている。

世界設定

魔術について

この世界に住む人々は魔術と呼ばれるものが使える。
魔術は「術式」と呼ばれる詠唱を行使し、体内の魔力を変換し体外へ出力する行為のこと。
「単属性」と「複属性」に分かれており、含まれる属性が多いほど高位の魔術とされ威力も高い。属性は「火/水/風/地」の4つ。
安定した魔術行使のためには媒体となる「宝珠」の存在が必要不可欠で、これが無ければ魔術を使用できない者が大半。「宝珠」の形は様々だが、わかりやすさから杖の形状のことが多い。
稀に魔術を一切扱えない人間もいるが、そういった者は魔力が込められた「魔具」を使用するためそこまで不便でもない。

魔術師について

国の認可を得た、高位の魔術を使う人々のこと。
日常生活において必要分使用するだけなら申請は不要だが、より強力な魔術を使うには「魔術師」の免許が必要となる。
魔術師免許はある程度の試験をパスすれば誰でもとれるものであり、免許を取ったからといって「魔術師」と名乗らなければいけないわけでもない。職業的に高位魔術を扱えた方が便利な人間が「とりあえず」といったノリで取得するといった具合。
数年に一度免許の更新があり、更新試験に合格しなければ免許が剥奪されるらしい。

本編

準備中